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昔ばなし

かにのふんどし




 昔むかしの話なんだと。山ん中の村さ住んでる男が原釜(はらがま)から嫁もらったんだって。

 ほして、ホレ、原釜の姑かががお祭りなもんだから山ん中の聟(むこ)さま招(よ)んだだっけ。

 原釜は蟹が盛んに獲れる季節になったんだもんで、男の嫁さまが聟に言ったんだと。「原釜さ行くと必ず蟹こと茹でて出すから、そんどきは、ふんどしとって食いなよ。蟹にはふんどしあんだから、ふんどしはずして食えな」って言ったんだって。

 さあて聟さま招ばれて行って昼になったもんで、姑かがが大きい蟹をどっさり出してきた。「ホレ蟹出てきたがらふんどしはずさなくては食わんねえぞ」って聟さまってば真っ黒い六尺ふんどし解いてまるめてお膳のすみっこさ置いた。ほーして蟹のふんどしははずさないでそのままばりばり食ったんだって。

 ホレ見てた姑かがは「おらいの娘こんだ馬鹿にくれたんだか、なんつーことしたんだべー」って山の中から娘ごと原釜に取返してきちまったんだって。ほして誰が迎えに行っても「あだばかにくれておかんね。返さね」って言うんだと。とうとう肝いりの人が原釜さ出かけて行ったんだって。
 姑かがさま昼になったんで、肝いりの人に蟹どっさりだしたらば、ほれ、その人も六尺ふんどしの真っ黒いの解いてまるめてお膳さのせて、蟹のふんどしとらないで食ったんだと。

 ほんで、姑かがが「聟んとこの村では、ふんどしまるめてお膳さ置いて、蟹のふんどしは取らねえで食うとこかもしんねぇ」って、ほれで娘を戻してやったんだったと。

 
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